キュアとケアが機能している職場を探す

医療においてはキュアとケア、という2つの対比によって取り組みが表現されます。

キュアでは、医師の仕事、実際に投薬を行い、手術などによって病気そのものをターゲットとして医療を行います。一方、看護の分野についてはケアと呼ばれており、ターゲットになるのは病気を抱えた患者さんです。直接病気を治すわけではなく、あくまでより良い治療となるよう手助けをすることになるのですが、その役割がいかに重要であるか分からない人はいないでしょう。

例えば、数値の上では改善が見られている、辛くても治療は効いているので続けましょう、と医師が患者さんに伝えることがあります。これはキュアの考え方ですが、その治療が患者さんにとって辛いもので、治したいものの続けていく自信がないと訴えているとします。しかし、そんな思いを、遠慮や恥ずかしさから医師に伝えることができない患者さんもいます。しかし、身近で働く看護師には打ち明けてくれることもあります。看護師はそんな思いを汲み取り、患者さんにとって治療がより良いものになるよう働きかける必要があります。患者さんを励まし可能な限りの看護ケアをして、時には医師に患者さんの訴えを伝えて治療に反映させます。

薬を処方することもなく手術をすることもない看護師は、医師がどうしても汲めない、あるいは患者さんの側から伝えられないものを汲み取ってケアを行う必要があります。このキュアとケアの両輪がきちんとそろって回ることで、医療は円滑かつ効果的に機能します。そしてそれが機能している職場であれば、自身が理想とする看護を提供できるでしょう。